『善き人のためのソナタ』

原題:Das Leben der Anderen (英題:The Lives of Others) 善き人のためのソナタ
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマン 2006年製作作品
出演:ウルリッヒ・ミューエ、マルティナ・ゲデック、セバスチャン・コッホ
1989年にベルリンの壁が崩壊し東西のドイツが統一されたのが90年。統一がなされたとはいえ実質的には東が西に組み込まれる形でいろいろな格差であったり問題はいまだ残っているとはいえ、それをまだほんの20年も経っていないのだからととるか、もう20年近くも経ったのにと受け取るかはたぶん人それぞれ受け止め方は違うのだろうけれど、東ドイツにおける国家保安省の諜報、というか市民生活への監視活動が先の大戦どころではない、ほんの少し前の80年代まで続いていてごくごく普通の一般市民によるさまざまな密告が身近な行動として行われていたというのは正直わたしもよく知らなかった。そんな時に丁度、いつもお世話になっているありちゅんさんのブログでご自身が東ドイツのお友だちを訪ねたときのことを書いていらしたのを読んで、本当にそういうことが普通の市民生活の中にあったのだなあとかなり衝撃を受けたのですが、これはそんな諜報活動に従事したひとりの男の心の雪解け、というか壁の崩壊を描いた物語。
『ホリデイ』
『フランシスコの2人の息子』

フランシスコの2人の息子
原題:2 FILHOS DE FRANCISCO - A HISTO'RIA DE ZEZE' DI CAMARGO & LUCIANO
英題:TWO SONS OF FRANCISCO 監督:ブレノ・シウヴェイラ 2005製作
出演:アンジェロ・アントニオ、ダブリオ・モレイラ、マルコス・エンヒケ、ジラ・パエス
ブラジルのゴイアス州シチオヌーヴォ村。妻エレーナの父親の畑を借りて農業を営みながらつましい生活を送るフランシスコの心のよりどころはラジオから流れてくる音楽。やがて長男のミロスマルを頭に次々と子どもたちを授かるが、どんなに貧しくとも音楽が家から途絶えることはなかった。いつしか息子をプロの歌手にしようと思うようになったフランシスコは、ミロスマルと次男のエミヴァウに自己流の歌の特訓を続けさせるばかりか、地代の支払いはもとより換金できるものは売り払い中古のアコーディオンとギターを買い与えた。そんな甲斐があって彼の2人の息子は地元のステージで喝采を浴びるほど歌を上達させるものの、地代の不払いで土地を追われた一家は州都ゴイニアに出てくることに。フランチェスコは慣れない工事現場に働きに出るが収入は知れたもの。食うにも困る生活の中で、ある日母の涙を目にしたミロスマルはエミヴァウを連れて、引っ越してきた時流しの歌手たちが演奏しているのを目にしたバスターミナルへと向かう。初めて自分たちの歌で稼ぐために…
ブラジルで国民的人気を誇るゼゼ・ジ・カマルゴ&ルシアーノの兄弟デュオのサクセスストーリーと2人を支えた両親の物語。
『パフューム ある人殺しの物語』

原題:PERFUME: THE STORY OF A MURDERER パフューム ある人殺しの物語
監督:トム・ティクヴァ 2006年製作
出演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン、ジョン・ハート
嗅いだり残したりといった匂いにまつわる行動は、人というより動物的なごくごく基本というかプリミティブで本能的な行動。人が暮らしてきた環境で嫌な、好ましくない臭いを消臭する技術は、もしかして早くからヤシガラ活性炭はあったのかもしれないけど元を断ち切るところまでは進んでいなかったかと思うので、生活臭に関しては消す=よいかほりorもっと強力なかほりをぶつけてヤな臭いをかき消すかいうことがポイントで香水やら香木が用いられてきたのではないでしょうか。
でも対人的にいざ!という場面で活躍するのは勝負パンツならぬ勝負のかほり。爽やかであったり悩殺的であったりステキなかほりを残して異性の気を引こうとするのは今も昔もかわらぬ人の性。動物でいうならマーキング? デート・合コンレベルでなくっても人が軽く集まるぐらいのミーティング程度で普段つけなれないトワレをシュシュッと振りかけたらかぶれちゃった経験のある方いませんかー?
というわけで今でこそ脱臭には銀が効くーとか消臭することにも人は躍起になりがちだけれど、その反面程度の度合いの違いはあれど人は無意識のうちに相手の嗅覚に訴えて自分の存在を印象づけようとするところはあるでしょう。
と雑談はさておき映画ですが これはーすごい。ひとこと圧巻。なにが?といって巷で話題だったらしい広場場面もそうかもしれないけれど、たぶんヨーロッパの監督でないと撮れないであろう全編から漂う雰囲気にヤラれた。冒頭闇の中から男の鼻だけがぬっと現れてまるスクリーンのこちら側の匂い、というか存在を嗅ぎ確かめるかのようなその掴みの演出だけでとろけてしまった感じです。
『シリアの花嫁』

英題:The Syrian Bride シリアの花嫁
監督:エラン・リクリス 2004年製作
出演:ヒアム・アッバス、クララ・クーリー、マクラム・クーリー、アシュラフ・バルフム
イスラエル、レバノン、ヨルダン、シリアの国境を接しているゴラン高原は自衛隊も派遣されてこともあるし耳になじみのある地名かと思いますが。その土地で婚礼を挙げることになったとある家族の物語。簡単にゴラン高原に関する背景の説明されているサイトを探したところ、こちらのサイトが参考になったのでご紹介を。
フランス映画祭2007
簡単レビューは以下の通り。
『パラダイス・ナウ』
『今宵、フィッツジェラルド劇場で』

原題:A PRAIRIE HOME COMPANION 今宵、フィッツジェラルド劇場で
監督:ロバート・アルトマン 2006年製作
出演:ケヴィン・クライン、メリル・ストリープ、リリ・テイラー、ギャリソン・キーラー 、ウディ・ハレルソン、ジョン・C・ライリー、トミー・リー・ジョーンズ、リンジー・ローハン、ヴァージニア・マドセン etc.etc
アルトマン監督の遺作になってしまった本作は超豪華キャストのアンサンブル劇。とりあえずみないわけにはいかんだろうと思っていた作品。もうひとつそれに加えて原題が「Prairie Home Companion」と聞いた時に、だいぶ前に聴いていた(というか聞き流していた)時期のあったFENの番組っぽいなあと思っていたらやっぱりあの番組がモデルになっていたとは。番組のほうは自分は聴かなくなってずいぶんと久しいけれど、未だに続いているそうでしかもそのホストの方が映画でも本人役で出演しているということで興味もより津々(実は脚本も書いていた)。
『ラストキング・オブ・スコットランド』

原題:The Last King of Scotland ラストキング・オブ・スコットランド
監督: ケヴィン・マクドナルド 2006年製作
出演:フォレスト・ウィッテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン
F・ウィティカーのオスカー受賞も記憶に新しいのですけれど、映画の話を聞いた時にはタイトルと主演のウィティカーの組み合わせにどんなお話しなのかしらん?と思い、やがてウガンダのアミン元大統領の話とわかって「なるほどー」と思いつつもやっぱり腑に落ちなかったんですが、ちゃんと原作があったのですね(ジャイルズ・フォーデン作『スコットランドの黒い王様(新潮社刊)』)。
アミン大統領というと多くの人が思い浮かべるのはその昔映画にもなってた「食人大統領〜」のイメージじゃないかと思います。そっちの映画はあんまり記憶が定かじゃないけれど「食人族」とかキワモノ系をタイトルにうたった映画がはやった時期に一緒にやってたから、現実でかの人が何をしたかは知らなくてもコワい人のイメージがありましたけれども、あちらもそんなタイトルで強調されているほど善し悪しはともかくキワモノ映画ではないようです。





