『恋愛睡眠のすすめ』

原題:La Science des re^ves (The Science of Sleep)
監督:ミシェル・ゴンドリー 2006年製作 恋愛睡眠のすすめ
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、シャルロット・ゲンズブール、ミウ=ミウ、アラン・シャバ
一緒に暮らしていた父親が亡くなり、母親に勧められるままにメキシコからパリにやってきたステファン。ちょっと内気な自称発明家の彼の特技は夢を見ること。夢の中の彼は自分のテレビ番組でキャスターをしたり、退屈な仕事も思い通りに変えて嫌な社長に取って代わって会社も好きなように切り盛り。だけど夢見ることに没頭するあまり夢と現実の区別が付かなくなることも。そんなとき隣の空き部屋にステファニーという女の子が越してくる。話も趣味も合いそうでカレもいない彼女は気になる存在になるけれど、なかなか素直に気持ちを伝えられないステファンの恋はどうなる…?
この春、巷はジュード祭りに沸いていますが、忘れちゃいけないのがガエルくんです。ジュードの3点セットももちろんおいしいに決まっていますけれどガエルくんのコレは一粒で充分元がとれます。
『モンゴリアン・ピンポン』

原題:緑草地(Monglian Ping Pong) 監督:ニン・ハオ(寧浩) モンゴリアン・ピンポン
@第18回東京国際映画祭アジアの風部門上映 2005.10.22〜10:30
07.4.28よりイメージフォーラムにて上映 以下映画祭上映時の感想&あらすじです、
今年の香港映画祭などで話題になっていた作品らしいです。あんまりよくわかっていないんですがモンゴルと中国の関係って?と思っていたらモンゴルはモンゴルでも映画の舞台は中国の内モンゴル自治区なので基本的には中国映画でよいのだそうです。お話し自体はとっても無邪気でかわいい話なんだけど、お国は北京にあるとか、パンダは国の宝で北京にいるから国の宝は北京に返す、とかなんか共産党が聞いたら喜ぶんじゃないの、って気がしないでもない。というかここまでモンゴルの人たちってなんにも知らない大らか無邪気でのほほんな人々って描いちゃって逆にいいのかね?とちょっと余計な心配もしたくなったりするんですが、中国はさすがひろいっす。
さて映画は基本的には子どもたちの友情/成長のお話し。小さい頃に仲良しだった友だちとのちょっとほろ苦い思い出など懐かしく思い出す人も多いのではないかしらと思います。
モンゴルの大平原に住むビルグ、ダワー、エルグォートゥはやんちゃな仲良し3人組。ある日ダワーの家へ出かけたビルグは近所の小川を流れていた小さな丸い物体を拾う。お菓子?卵?みたこともないまん丸い球を何かとおばあちゃんに尋ねたところ「きっと神様の宝物だよ」と教わったビルグは球をお守りのように大事に持ち歩く。
やがて移動映画のおじさんからその球が「ピンポン」なるものと聞いたビルグは神様の宝物なんかじゃないと知ってがっかりするけれど、ある日ダワーの家のオンボロテレビから不思議な音と共に「ピンポン」という言葉が聞こえてくる。そしてテレビのいうことには「ピンポンは国技だ」とのこと。今度は「国技ってなんだろう?」と悩む3人。するとダワーがこういった。「きっとこの球はお国の宝に違いないから、お国の宝物がおいてある北京に返しに行こうよ!」 かくしてビルグたちはピンポンをお国に返すため、北京へ向かって出発するのですが…
『約束の旅路』

原題:VA, VIS ET DEVIENS(GO, SEE, AND BECOME) 2005年製作
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ 約束の旅路
出演:ヤエル・アベカシス、ロシュディ・ゼム、モシェ・アガザイ、モシェ・アベベ、シラク・M・サバハ
ここのところの世の中の出来事や最近の鑑賞ラインナップなどもあわせて、自分の中にはイスラエルに対する何様視線、のようなものが確実に芽生えていたのだけれど(昔はひたすら同情するだけだったのに)、若干引き戻してくれた映画。ここでイスラエルやユダヤ/パレスチナ談義をするのは大いに筋違いな気もするのでやめますが(それらにまつわる文献を読むたび、んじゃその根っこでで一番悪いのは大英帝国?と思うと余計にガッカリするのもあるし)、この作品で感じたのはどんなに同じ神様を信じる人々同士の中でも差別というのは存在するのだけれど、それでもどんなに見てくれや信じる対象、環境が異なる人々でも母親が子を愛する気持ちだけは人種、民族を越えて皆同じという基本的・普遍的なこと。だから素直に沁みました。お母さんの叫びが今も耳に残っているようで。
@岩波ホール 03.26鑑賞
『マリアの受難』

原題:Die Todliche Maria (Deadly Maria) マリアの受難
監督:トム・ティクヴァ 1993製作
出演:ニナ・ペトリ、カーチャ・シュトゥット、ヨーゼフ・ビアビヒラー、ペーター・フランケ、ヨアヒム・クロール
トム・ティクヴァの実験的な長編デビュー作。渇いたタッチのスリラー、マリア伝、精神妄想映像、家族の愛憎ドラマ、ちょっとした恋、ちょっとしたコミカルなどなどそれまでやってみたかったことがいっぱい詰まってるんだろうな、というのを感じました。ほとんどてんこ盛り。ある意味無法地帯というかまとまりに欠ける部分はないわけじゃないのだけれど、それでも作り込み方に目がはなせませんでした。ムシムシもあったけども。
何となく初期の頃のカウリスマキとか思い出すようなシンプルなマリアの家の朝の食卓。時計のちくたく時を刻む音にイメージはpunktlichなんだけどかつ倦怠。きっとこの夫婦はこうやって毎日同じ時間通りのなんの変哲もない生活を何年も続けてきたんだろうなという、同じ場面が断続して過去まで続いているような。だけどそこにカビ臭い匂いは感じられなくて、きちんとソーサー付きで差し出されるコーヒーカップのセットが妙にかわいかったり。
家の中に押し込められて屈折した生活をしてきたマリアではあるけれど、今じゃ寝たきりのお父さんも、男でひとつで生まれ落ちた瞬間から彼女をそれなりの深い愛でもって育ててきたのだろうし、ゆえにお父さんの最後はちと悲しかったけれど、物語の最後は不思議なハッピーエンド。昔からメルヘン路線?
@シアターイメージフォーラム 4.18鑑賞
ちなみにお父さん役のJ・ビアビッヒラーは今度のドイツ映画祭で上映される『冬の旅』(監督:ハンス・シュタインヴィッヒラー)という作品で主演。見事なドイツ・リードというかシューベルトを聴かせてくれます。たしか監督の前作『ヒランクル』にも出てましたね。
『サン・ジャックへの道』

原題:SAINT-JACQUES... LA MECQUE 監督:コリーヌ・セロー 2005年製作 サンジャックへの道
出演:ミュリエル・ロバン、アルチュス・ドゥ・パンゲルン、ジャン=ピエール・ダルッサン、マリー・ビュネル
母親が亡くなり遺産相続の条件として、聖地巡礼の旅に出ることになったそれまで絶縁状態だった3人の兄弟を中心に聖地サンディアゴ・デ・コンポステラを目ざす面々の徒歩ロードムービー。
巡礼の総本山サンディアゴ・デ・コンポステラのことは比較的最近まで知らなくて、初めて名前を聞いたのは一昨年のドイツ映画祭で上映されたオムニバス映画の『ワン・デイ・イン・ヨーロッパ』の中のエピソード。こうして風光明媚な聖地への道を巡礼者がそれぞれ荷物をしょって歩いていくのはスタイルは違うけど日本のお遍路さんみたいなものなんでしょうね。徒歩で歩く行為そのものや簡素な宿泊所なんかはそれっぽいけれど、日本の巡礼とは違ってなんかユルいというか、もちろん今回の集団の中にも自分の健康に願をかけたりしている人はいるけれど、親戚に勧められたとかちょっとしたハイキングみたいな雰囲気で気軽に参加してる人やら理由は何でもいいのかなと思ったり。そりゃ相当の距離を歩くわけだから気が向いた時ひょいと出かけられるってもんでもないだろうけれど、比較的誰でも参加できるんだなあと思ったり。…行ってみたい。
物語は最初いい年してとっくみあいのケンカしてる長男と長女に参加意識ゼロの弟ら3人に相当困ったもんだと思いつつも旅は道連れ世は情け。大人のコメディ場面も取り混ぜつつ、それぞれがほかの参加者と心を通わせてちょっとずつ性格修正していくあたりしだいにほのぼの。おばちゃんクララと失読症のアラブ系少年のやりとりにはあったかくなりました。キッツそうなおばちゃんだけどだからついつい黙っていずにはいられないんでしょうね。教師魂に火がつくあたりはみてるこっちまでお勉強になりそうでした。
トレッキング中それぞれがみるちょっと不思議でファンタジックな夢の世界やら、聖地に着いてから聖堂の中でみんなまとめてぶんぶん香炉振ってミサしている様子など景色以外にも注目。
わたしも遠足に行きたい。
@シネスイッチ銀座 04.18鑑賞
『クィーン』
『ブラッド・ダイヤモンド』

原題:Blood Diamond 監督:エドワード・ズウィック 2006年製作 ブラッド・ダイヤモンド
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー
アフリカのダイヤモンドを巡ってはもちろん普通の産業としてまともな商売している会社だってあるだろうし、結局買う人間が闇でも何でもいるからと言われればそれまでだけど、かの地がヨーロッパの植民地であった頃から独立を果たしてまでも、独立した国の政情が不安定なところをしたたかに利用しようと狙う旧統治国やら国内の政治活動団体やゲリラ組織などいろんな利害関係が渦巻いてほとんど泥沼化している印象が。
別にダイヤに限った話ではないのかも知れないけれど、ここのところ公開されているアフリカ題材の映画に描かれるのはさまざまな黒い下心であったり、何かただならぬ雰囲気。NGOやら団体の難民援助を報じたドキュメンタリー番組だと援助物資を強奪する盗賊の一団による被害の模様が映し出されたり、アフリカってばいまだ何の秩序もない無法地帯なのかという印象も一視聴者としては正直持たないわけじゃなくて。もちろんそういうことが映画なんかのエンタメ・フィクションから、困難な土地での救助活動と言ったものを描くにはネタになりやすいだけで一事が万事実際そうなんだろうと安直に思いたくはないけれど、そういうのばっかり取り上げられたり公開されるのはどうなのかなと思ったり。アフリカの人たちだって普通にごはん食べて日々暮らしている人たちだっているだろうに、そんなごく普通の日常なんてものを映画にしてくれる人はいないのかな。
別にその国の不安定な情勢を背景に登場人物たちの気持ちが揺れ動く作品が悪いとは言わないしこの作品だってJ・フンスー扮するお父さんの長男への愛情はぐっとくるものがあったけれど、あんな人さらいのように手下になる子どもら拉致してきてはむごたらしい調教しておいて、そのくせ最初は誰でもつらいんだみたいなことを言っちゃう反政府団体のボスにはなんだか。たしかにあんな状況だったらあの子はボスに父親代わりの存在みたいなものをみちゃったのかもしれないけれど。
と、殺戮場面は結構きつくて、そういうのみると無意識のうちに泣く自分は前半落涙度も高かったんですが、そんな非戦闘員の市民が巻き込まれて戦闘なり暴徒暴動が繰り広げられる虐殺場面を、ギャングスタ映画並みに派手派手しいアクションでもって描くのはいくらエンタメでもあんまり趣味がよくないんじゃないかと思ったり。それいったら今までの戦争映画やら征服ものだってもっと酷いのはあったかもしれないけれども。
レオくん始め役者さんは皆それなりに上手だったとは思うけど、なんかつらい映画でした。
@渋谷TOEI 04.07鑑賞
『狂った一頁』

英題:A page of Madness 監督:衣笠貞之助 1926年製作
出演:井上正夫、中川芳江、飯島綾子 ほか
第63回国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)東京会議2007の開催を記念した特別上映会で衣笠貞之助監督のサイレント映画『狂った一頁』をピアニスト高橋悠治さんの演奏つきで見ました。
幼い我が子を洪水に流されたことで精神に異常を来し病院に収容されている妻を見守るべく同病院の使用人として働いている男。やがてそこにまもなく結婚を控えた長女が見舞いにやってきて父親と再会する。
…というような内容かと思うのですが、何せインタータイトルがないので詳しいストーリーが不明。どうやら男は元船乗りでかつて妻に辛くあたりそのせいで彼女の気が触れたというお話しもあるらしいのですけれど、でもとりあえずストーリーはほとんど無用。精神病院の独房で独り踊り続ける踊り子や、男、そして長女や患者たちが思い描く悪夢のスパイラルを描いたようなそのアバンギャルドな映像が圧巻かつ非常に魅力的。これぞ大正モダニズム?というか1926年は大正15年こと昭和元年。あまりに偶然といえば偶然かも知れないけれど、新しい混沌の時代に相応しい新表現だったのじゃないかと思います。自分の中でなんとも言葉が出てこないのだけれど、ひと言「すげー」と思いました。
高橋さんのピアノも映像に負けないぐらいアバンギャルドでした。
あまりに画面に見入っていたらめちゃくちゃ肩が凝ってしまいました。とっても消耗した気がします。だからあの会場はキライ。できればフィルムセンターのホールでもう1度みたいです。

@第63回国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)東京会議2007特別上映
有楽町朝日ホールにて 04.08鑑賞
『素粒子』

原題:ELEMENTARTEILCHEN (ATOMISED ) 素粒子
監督:オスカー・レーラー 2006年製作
出演:モーリッツ・ブライブトロイ、クリスティアン・ウルメン、マルティナ・ゲデック クリスティアーネ、フランカ・ポテンテ
2006年のドイツ映画祭上映作品。
allcinemaの紹介文に寄れば
親の愛を知らずに育ち、正反対な人生を歩んできた異父兄弟が辿る皮肉な運命を通して、現代を生きる人間の愛と死をめぐる苦悩を、過激な性描写を盛り込み痛烈に描き出す。
とのこと。愛と死を巡るドライな苦悩はあるかもしれないけれど。数学者の弟ミヒャエルは本人が目が向かなくともそれなりにまわりに愛ある生活はあったような気がするし(…たぶん本人だって幼馴染の女の子を気になっていたけれどいえなかったところはあるのかと思うので)兄のブルーノのまったく180度対角にいるわけではないですよね。結論としては二人が一見正反対に見える異なった形のハッピーエンドを迎えるとはいえ。それが奔放な母親から生まれ愛を受けずに育ってきたからっていう理由付けはちと違和感があり。
性描写はそんなに過激だと思いませんけども、前作『アグネスと彼の兄弟』に続いて性的に趣向があんまりまともでない人間を描写するには衝動を抑えられずに(一応隠れてるとはいえ)人前で自慰行為をしてるところを観客にみせる方法しかないのかないのだろうか、この監督、とその辺がちと不快。原作もそうなのかもしれないけれど。3本目もそうだったらさすがに怒ります。あとあまりに凡庸すぎて何の曲だったか忘れてしまった劇中使用の曲も。…たぶん巷ではファスビンダー再来と評価されてる監督のセンスに自分はついていけないというか今のところあってない気がしてます。
となんかうまく言葉が出てこなくてこんな具合になってしまった。あとで加筆するかも。
@ユーロスペース 04.07鑑賞
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『ナイト・ミュージアム』

失業後転職を続けては引っ越しを繰り返し、離婚後引き取って一緒に暮らしている息子ちゃんの教育上よくないからすぐにでも定職に就かなければ自分と同居させる、と元妻に迫られ、せっぱ詰まったベン扮するパパが紹介してもらえたのは博物館の夜警の仕事。赤字続きの博物館でリストラされたという夜警のじーさま3人組に代わって出勤した彼がその晩目にしたのは動くジオラマたちだった。みんなみんな動き出すー!
予告編からして楽しみにしていたファミリームービー。といってもわたしはファミリーと出かけるわけじゃないんだけど。なんで彼らが動くのか、といえばエジプトコーナーに展示されてるツタンカーメンの魔法の石版のせいだったんですけれどもそれが結局なんのためだったのかしらんとか、ショーケースに入ったままのポカホンタスじゃなくてインディアンの女の子が言葉が聞こえなかったのはなんでだったのかしらんなど細かい疑問もいろいろ残りますが、今回はみんな動き出すのがテーマなので、細かいことは気にしなーい(でいいのだろうか?)。劇中ではバツイチ失業続きのパパの焦りやら苦悩やら、ポカちゃん(…だから違うって)に片想いする大統領や、乱暴者のアッティラ大王がどうしてそんな風に乱暴になったのかなどなどそれなりの人間ドラマも描かれますけども誰が観ても分かりやすくソフトなエピソード。
とりあえずベンものだし、事前に出てくるとは知らなかったオーウェンがまたありゃカメオじゃないだろーという大活躍!というわけで単純なわたしはキャッキャとよろこんでみてました。ああいう博物館なら行ってみたいー。って実際遅めの時間帯に出かける博物館って怖いっすよね。。
@渋東シネタワー 04.05鑑賞
今回はわたしの愛するおバカジャンルとは全く異なるファミリームービーではありましたが、今後の期待といえばやっぱしこれかと思います。早くみたーい。
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