『こわれゆく世界の中で』

Breaking And Entering [2006]
 観てからかなりの日にちが経っているので簡単に済ませますが、すごく好きな作品でした。各々の登場人物がなんとか打ち壊してでもたどり着きたい場所を持っているのにぶつかっては弾き飛ばされたり余計に内にこもってしまう様子が痛くて。ジュードが言ってた最初母娘のカヤの外にいるのは自分だと思っていたけれど、檻にこもっているのは君ら二人のほうで自分はそれを眺めているしかすべがないというセリフが沁みました。脚本はミンゲラの書き下ろしななのかな、とクレジットを見てて思った記憶がありますが、ビターさとほろ苦いスウィートさが好きでした。
16:31 | 「か」行 | edit | page top↑

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』

Pirates of the Caribbean: At World's End
原題:Pirates of the Caribbean: At World's End 監督:ゴア・ヴァービンスキー
2007年製作 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、チョウ・ユンファ、ジェフリー・ラッシュ、ビル・ナイ

 シリーズ3作目、というか完結編...のはずですけど、ほんとに終わるんか?と思わないでもないのが微妙。とりあえず、わたくしの今回の任務はキース出演の確認だったのでそれは満足でした。
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08:46 | 「は」行 | edit | page top↑

『犯罪小説』

romanzo


 ドイツネタも書かないとーと思いつつ溜め込んでるものから先に出したい自分。。スロースロークイックなし。遅すぎます。

 さてほとんど忘れかけているこの作品。今頃までほっぽっといた自分が悪いんですけども、ほっぽっといた原因というのは…あんまし好きじゃないから。ま、こそこそすることでもないんですけれども、正直あんまし乗り切れなかったんです。
というのはイタリアの暗黒犯罪ものといえばマフィアネタであったりして、その中でも見所であったり感情移入ができるのは人的な絆っつーか仁義の世界だったりするのかもしれないけど、なんかここにでてくる(あえて言ってしまいますけども)チンピラどもにあまり吸引力がないというか…魅力を感じなかったのです。なんかちょっと中途半端なごろつきというかなんというかで。
 またこれって脚本に『輝ける青春』の人とかが入っている、というのをちらりとどこかで目にした記憶がありますが、痛ましいテロ惨事のノンフィクション映像にこんな連中を安直に絡めるのって、旅団にもマフィアにも失礼じゃないの?とまで思ってしまったんですわ。なんかあんまり感心しませんでした。

 あと何よりダメだったのが劇中の数々の英語圏70年代ヒット曲の使い方ですかねえ。つかみの“冷血”(…これもまたそうにゃ違いないだろうがフレドでいいのになあと思ったり、、たぶん文字数の関係とは思いつつ…すんません)が出所してくる場面の「Ballroom Blitz」にはおおー!ええでないの!!とわくわくしましたんですけれどこりゃわたしが個人的に好きなナンバーだからっすね。ギャンブルの場面で「地獄に道連れ(Another one bites the Dust)」なんてベタすぎて恥ずかしくて使えないだろー普通。劇中の音楽センスがいまいちだと乗り切れないで終わってしまったり。。どんより。
あ、でもアッコルシは○。とあいかわらずエコヒイキしときます。相手役のお姉さんもきれいでした。

@イタリア映画祭上映作品
00:03 | O.T.イタリア映画 | edit | page top↑

『プリモ・レーヴィの道』

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 第二次大戦後アウシュヴィッツからソ連軍によって解放されたレーヴィの向かった道を監督のダヴィデ・フェラーリがたどったドキュメンタリー。レーヴィの残した代表的な作品といえばまず「これが人間か(Se questo e' un uomo)」があげられると思うのですが、あれから半世紀以上経って再び訪れたその土地を見て彼は同じようにつぶやくのだろうかと思ったり。そんな思いが監督にもあったのか。もう一度じっくり見たい作品でした。

 試写の時に以前NHKで放送されたレーヴィのドキュメンタリー番組(アウシュビッツ証言者はなぜ自殺したか--プリーモ・レーヴィ「これが人間か」)でナビゲーターというか やはり彼の足跡をたどっていた徐京植(ソ・キョンシク)さんがいらしてお話しされたとのことなんですけれど、ぜひ聞きたかったです。もう1回どこかで上映と併せて講演もやってくれたらいいな。

アウシュヴィッツは終わらない―あるイタリア人生存者の考察 溺れるものと救われるもの


プリーモ・レーヴィへの旅プリーモ・レーヴィへの旅
徐 京植

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00:05 | O.T.イタリア映画 | edit | page top↑

『ズーズーにご用心』

zouzou

原題:Khali Balak Min Zouzou(Watch out for Zuzu)
監督:ハサン・アル=イマーム  1971年製作

 美人で運動も一番で学業も優秀な学園の人気者ズーズーには誰にも明かせない秘密があった。というのも彼女の母親はかつてその業界では有名なベリーダンサーで、その娘たる彼女も売れっ子ダンサーだったからだ。幼い頃から眺めていた母親の姿に憧れを抱きつつも、家業にコンプレックスを抱いているズーズー。
 ある日ズーズーは大学に招かれた若き演出家サイードと出会う。良家の出身でスポーツカーを乗り回し、いかにもモテ男を自認してそうな“気取りやさん”とあっという間に恋に落ちて幸せな時間を過ごすズーズーだったが、サイードに横恋慕する義理の妹が陰謀をたくらむ。ズーズーも招かれたサイードの実妹の婚礼の席に、当の昔に現役を退いた彼女の母親を踊り子として招いて、大勢の前で侮辱したのだ。怒ったズーズーは皆の前で官能的なダンスを披露し列席者を魅了する。
 やっぱり自分の生きる道は踊り子しかないのかと恋も学業もあきらめかけたズーズーだったが、そんな彼女のために学園の仲間たちとサイードは立ち上がる。
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00:07 | O.T.アフリカ圏ほか映画 | edit | page top↑

『ウンム・クルスームのファトマ』

アラブ歌謡の貴婦人

・『ウンム・クルスームのファトマ』
英題:Fatma 監督:アハマド・バドゥラハーン 1947年製作

 1930年代からエジプトの国民的歌手として人気を誇ったウンム・クルスームの出演した6本の映画中、最後の作品。映画祭のチラシやカタログには「エジプトの美空ひばり」なんて書いてあったけれど、たしかに年代といいキャリアといいそんな感じなのでしょうか。

 物語はカイロの下町オマラ横町で生まれ育ち看護婦として働くファトマが、富豪の家の長男を看病に出かけたところ、プレイボーイの三男ファティに見初められ結婚する。しかしファトマはファティの子供を身ごもるも、生活観の違いにファティは早々に実家に出戻りし、身分違いの恋を許さないファティの兄たちや彼の元婚約者が加勢をする。あまりの仕打ちを不憫に思った横町の住人たちはファトマのためにカンパを募って結婚の有効性を裁判所に訴えるのだが…というような内容。

 お話的には一方的に追いかけ回して結婚したのはファティのくせに、でもそもそも彼は最初から正規な結婚というよりファトマを囲うことを望んでたんじゃないかって感じもあるし、それをファトマがちゃんと結婚して自分の実家で暮らさないとイヤだということでファティは下町にやってきてまわりの大歓迎を受けるわけですが、そんな人情厚い人々がいちいちお節介焼いてくるのがおハイソな彼にはうっとうしく、また食事も口に合わないーやってられるかー!と勝手に実家に帰ってしまい、おまけに裁判が始まると自分はファトマにだまされただけとか証言するなど最後に改心するとは言え全くよいところのないひっでー男。こんな男は のしつけて返品しちまえと観てるこちらは思うんですが、それじゃお話にならんだろうしな。
 とはいえその間の子ネタもユーモアたっぷりの会話に(ちょっと後半はしゅんとなりがちですが)さほど嫌味は感じないし、やっぱり歌で大団円を迎えるハッピーエンドは途中どんなになにぃ?と思う展開を迎えても幸せ気分になれます。Wikiのクルスームの欄にあるように彼女の人柄もこの映画のファトマを地でいくような堅実で庶民的な方だったようなので、本国では支持されたのではないでしょうか。

 劇中でヒロインに扮するクルスームが披露する9曲の歌は、彼女の歌の中でも特に有名な曲なのだそうです。曲調はそうですねーオリエンタル/エキゾチックな節回しが民謡調といえばそうかもしれない。↑のWikiにあるように非常に叙情的。まあ映画でも当然見せ場・聞かせどころではあるだろうし結構長いんですが、ライブだと6時間も当たり前っていうのがすごいですねー。よくそんなに体力が続くなあと感心。

@アラブ映画祭2007
17:58 | O.T.アフリカ圏ほか映画 | edit | page top↑

『バベル』

Babel

 さくっといきます。それぞれ異なる境遇の人々が知らずのうちに運命でつながっていて引き寄せられていく。そんな物語が丁寧に紡がれていくイニャリトゥ監督のこれまでの作品ですけれども、これまでは引き寄せられ出会ったところでまたそれぞれの内面的に生じる展開というか、そこでで起こる不思議なケミカルのようなものがあって、それが彼の作品を特別なものにしていたような気がするんですが、さすがに今回舞台がどーんとワールドワイドだったのもあるかもしれないけれど、その距離感があんまり縮まってない。というかもちろんつながりはあるんだけれど、それを巡るオムニバス形式感が強かったというか。その点はちょっと予想してたのと違いました。だからバベル?
 個々の物語はより丁寧に描かれているようにも感じたけれど。切な系で終わるモロッコ人篇メキシコ人篇・一見少し光が?系でおわるアメリカ人篇日本人篇、言葉というより地域差というか民族差というかで物語が進んでいくのもちょっと予想してたのと違ったけれど、4つのエピソードそれぞれが違う切なさを持っていてチクチクヒリヒリと痛ましく、でもその語り方は好きというか味い深いものがありました。
↑のパッケージにもありますが、しわしわなブラピはかなりよかったと思います。

全然関係ないんですが、役所広司の家、というか菊地倫子の家のネコがうちのしろさんみたいで。

@渋東シネタワー

07:34 | 「は」行 | edit | page top↑

『家族の友人』

amicodifam

原題:L' amico di famiglia(英題:The Family Friend/Friend of the Family)
監督:パオロ・ソレンティーノ 2006年製作
出演:ジャコモ・リッツォ、ファブリツィオ・ベンティヴォリオ、ラウラ・キアッティ、ジジ・アンジェリッロ

 洋裁店の傍らで高利貸し業を営むジェレミア。寝たきりの母の看病に追われ気がつけば自分も齢を重ねていた彼だが、母の教えを厳格に守り出費はどこまでもセコく抑え、海辺や道路に金属探知器をかけては小銭を貯め込むなど彼なりにコツコツと金を貯めては地元の人々に「還元」していた。ただし暴利つきではあるけれど。彼は自ら“黄金の心”と名乗り、地域の人々の善き家族の友人だと信じ込んでいるが、彼自身には友人はいない。貸付業では右腕でありよき相談相手のジーノのことさえも友人だとは思っていなかった。
 ある日ジェレミアの元にまた借金の依頼が届く。娘の結婚資金用に借金を申し込んできた男の家を訪ね彼の美しい娘ロザルバに出会った瞬間、ジェレミアは嫌悪感をあらわにする彼女をよそにたちまち一目惚れしてしまう。また時を同じくしてとあるビデ製造会社から巨額の融資依頼が舞い込む。分不相応な依頼に最初は警戒するジェレミアだったが、やがてロザルバが自分に脈があるのではと思いこんだ彼は新しい生活を夢見て母親やジーノの止めるのも聞かず蓄えをほとんど貸し付けに回すことにするのだが…

 前作『愛の果てへの旅』が新鮮な驚きを与えたP・ソレンティーノの2006年の作品。2006年カンヌ映画祭コンペティション部門出品作。
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16:23 | O.T.イタリア映画 | edit | page top↑

『わが人生最良の敵』

miomiglior


原題:Il mio miglior nemico (英題:My Best Enemy)
監督:カルロ・ヴェルドーネ 2006年製作
出演:カルロ・ヴェルドーネ、シルヴィオ・ムッチーノ、アナ・カテリーナ・モラリウ

 母親が窃盗の疑いをかけられて働いていた大手ホテルを解雇されたことを恨んだ息子オルフェオは、母をクビにした張本人・ホテルの支配人アキッレの不倫現場を目撃。盗撮写真で脅迫するも母親の復職がかなわないと知ったオルフェオはアキッレ夫妻の銀婚式パーティに忍び込み不倫の事実を招待客の前で暴露する。ところが実はアキッレがその少し前に知り合った大事な恋人チェチーリアの父親と知って愕然とする。傷ついた父親っこのチェチーリアは姿をくらまし、オルフェオとアキッレは2人で彼女の行方を捜すことになる。

 やっぱヴェルドーネとムッチーノの『恋愛マニュアル』でのおかしなイメージもあるし、イタリアではかなり人気のあった映画だったとのことですが…。
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10:25 | O.T.イタリア映画 | edit | page top↑

『インターネットの扉』

今頃になりましたが、いい加減3月に行われたアラブ映画祭で上映された作品をぼつぼつご紹介。イタリアも忘れそうなので交互に書ければと。

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『インターネットの扉』Bab el Web(アルジェリア/フランス)
監督:メルザック・アルアーシュ 2004年製作
出演:サミー・ナセリ、フォーデル、ジュリー・ガヤ

 アルジェの路上で雑貨を売って暮らしているカメルとボジーの兄弟。弟のボジーは家の階下にあるネットカフェ、Bab el Webでネットで知り合ったパリジェンヌのローレンスとチャットやメールするのが趣味だが、ある日ローレンスがアルジェリアにやって来ると伝えてくる。すっかり有頂天になったは彼は同居している母親と姉をむりやり遠くの親戚の家においやり、彼女を家に招く準備を整える。寡黙な兄貴のカメルはそんなやる気満々の弟に呆れつつ恋がうまく実るよう渋々協力するのだった。おしゃべりで快活なボジーとは正反対の無口で奥手なカメルの趣味は闘羊。かわいがっている羊の“ジャポネ”はその界隈では負け知らずのチャンピオンだけど、ボジーが客を招くため部屋の壁紙を張り替えたり冷蔵庫を新しくしたりともてなしのための大出費に備えて露天商のヤクザなボスから大金を借りたために、次の闘羊の試合ではジャポネがワザと負けるよう八百長試合を持ちかけられて苦悩する。さらにパリから到着したローレンスに会った瞬間、彼は一目惚れしてしまったのだ。またローレンスがアルジェリアにやってきたのも実は幼くして別れた父親と再会するという密かな目的があったのだが…
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16:17 | O.T.アフリカ圏ほか映画 | edit | page top↑