『キング・コング』

キング・コング 通常版
 PJの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ以来の新作は本人が幼い時に見て映画作りの道に進むきっかけとなった『キング・コング』のリメイク、というかオマージュ。基本的にはオリジナルストーリーに忠実にとはいえ、髑髏島へと出かける人々のドラマ、『ジュラシック・パーク』も目じゃないスペクタクルあふれる島での探検冒険シーン、コングと恐竜の一騎打ちやら虫虫グチョグチョなどなど独自の脚色が盛り込まれてます。

 島で平和に、とは一概にも言えないだろうけど、それなりのペースで周りの原住民なり恐竜なり大コウモリなんかと共存しながら暮らしてたコングにしてみれば勝手に踏み込んできた部外者に変な場所まで拉致されたあげくああいう結末に終わるのはいい迷惑だし、不条理極まりないドラマだよなーと今さらながら思った次第。「野獣を殺したのは美女」って元はといえばお前のせいだろーがとJ・ブラック扮する映画監督に大きくつっこみ入れたくもなります。

King Kong 誰もが感情移入して見てしまうであろうヒーロー、コングちゃん。昔ジェシカ・ラング版の『キング・コング』を観た時、コングが水で濡れたアンの服を指ではぎ取ろうとする場面があって、なんかコングってばエッチと思ったんですけども、今回の彼はそんなふしだらな真似はしません。「益荒男」です。アンに危機が迫れば(って彼女の方は逃げだそうとしてるわけですけども-涙-)いつの間にかどこからともなく現れて命がけで彼女を救い、無言で彼女を自分ちにつれて帰ると男は黙ってサッポロビール、じゃなくって夕日を見つめるですよ。なんか不器用な男児のようではありませんか。
っていうか絶対このコングのモデルってば三船敏郎あたりじゃないですかねー。なんかふんどしキュっと締めてそうな男気を感じます。そして尻スケートの場面はラブリー&ロマンチック。こんなコングならナオミでなくても「カワイイネー」と言いたくなるし、ついつい気を引きたくて欽ちゃんダンス(…)もしたくなります。
でもいろいろ前ふり必要なのはわかるけど、コング出てくるまでに時間かかりすぎ。

 あの出かける船は単なる密輸船だったのかしらとか、髑髏島の島民たちはコングのことを神様扱いしてたんじゃないんだろうか、というかその捕獲作戦の時に隠れてみてるわけでもないしどこいってたのよとか、ちっちゃな突っ込みもあり、その辺はまたエクステンデット・エディションとかで補足されるものなのかと予測されますが、あれ以上長いのはちょっと勘弁してほしいのでわかんなくてもいい(苦笑)。

 コングに目が奪われがちでついつい忘れてしまいそうになった役者陣ですが、ナオミの絶叫ぶりはたいしたもんだなーと感心し、J・ブラックのマッド・サイエンティストならぬディレクターぶりにさすがとうなり、A・ブロディーの脚本家はちょっと存在薄くないかしらと思ったり。船長さんとJ・ベルくんら船のクルーもNYシーンにも出てくるのかと思ったらそうでなくてちょっと寂しかった。
 しかし今回はちゃんと人の役でも出てきたとはいえ、A・サーキスというのはPJの隠し玉ですね。ゴラムの時もびっくりしましたが、今度は動物園でゴリラを観察して動きやら鳴き声まで拾得したとか。その辺、より感情細やかなコングになるのも当然。
 とはいえ顔の表情なんかはそのままCG化はできないからちゃんと作ってあるというのが仕組みがどうなっているかはしらないけどそれはたいした技術なのでしょうね。コングがアンをひっつかんで走る場面等々合成の場面は『指輪』の時と比べてCGの浮きぐあいに今ひとつ感もありましたが、ニューヨークの町並みなんかはセットやCGとは思えないくらい精巧ではありました。

 とりあえず劇場版自体ファミリームービー向けの尺ではないのでお子さん同伴にはご注意を。また鑑賞前の水分摂取も十分注意しましょう。わたしはコング出てくるまでに3回トイレに走るという新記録を樹立しました(…自慢してどーする)。

原題:KING KONG 監督:ピーター・ジャクソン 2005製作
出演:ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディー、アンディ・サーキス
@渋東シネタワー

タグ : アメリカ映画 リメイク 恋愛 パニック