『拘束のドローイング9』

 アーチスト、マシュー・バーニーの一連のテーマ「拘束のドローイング」の9作目なのだそうです。この作品に出かけたのはマシューさんの芸術に興味があったとかではなくて、前日にビョークがにゃんことダンスするPVをみていて、ああそういえばビョークが出ている映画がきてたなーとぼんやり思い出して、とりあえず出かけた次第。楽日の劇場は大にぎわいで補助イスまで出ていました。作品のポスターは和服姿で絡み合うビョークと外人男性で、その人がマシューさんだと後のクレジットみて分かったんですが、ビョークの現在のパートナーでもあるとのこと。
 マシューさんの「拘束のドローイング」とは何かというのは公式サイトでも見ていただくとして、あんまし芸術センスがあるとも言えないわたくしではありますが、とりあえず映画の簡単な感想としては…ごめんなさいって感じです。

 シリーズテーマはともかくとして、この作品自体のテーマはたぶん冒頭からおしまいまで全編にわたる鯨を思わせるイメージからして捕鯨・鯨で、そこに茶道やら文金高島田やら海女さんやら笙の音みたいなものを盛り込んでいかにも外人らしい新解釈のアートとしてみせたのかもしれないけれど、何を言いたいのか、何をリスペクトしたいのか正直よく分かりませんでした。別に捕鯨の文化を否定するでもないんだろうし、海女さんがらみのシークエンスでも海の恵みの再生というテーマはあるんだとは思う。ふたりの異国の人が海の孤島からそれぞれ捕鯨船にやってきて、それと同時に船には巨大な鯨の香木みたいなものが流れ着いて、その解体まがいのことが行われたり、ふたりはといえば船内でゆず湯に入ったり、ビョークの毛皮の白無垢着付けとか(これはすごい)、その後のティーセレモニーとか、正しいかどうかはよくわからないけれど「もののあわれ」の説明とか、その後嵐が来て映し出される「!!!」な映像の後ろで延々流れるお能の調べ(内容はその画面の行為の説明だと思う)とか、おそらく新進気鋭の前衛アーティストの目から見て非常に興味深いものの集大成ではあったのかと思うのですが、摩訶不思議なオリエンタリズム映像、というか解釈?と思いました。

 特にストーリーはこれ、と唱ってはいないんだけど、どうせならもっとわけわからんほうがよかったろうに、という感じ。芸術はもちろんわたしみたいにみる方にセンスがない場合もあるだろうし、いろんな解釈があってよいとは思うけれどこういうのは…難しいんじゃないかと思いました。わたしマジでクレジットにグリーンピースの名前探したもん。
とりあえず鯨刀が出てきたところでヒ〜ッと思ったですが、その辺の場面はあんまし思い出したくありません。スマン、凡人で。

原題:DRAWING RESTRAINT 9 監督:マシュー・バーニー 2005年製作
出演:マシュー・バーニー、ビヨーク(音楽も)
@シネマライズ

タグ : アート系 不思議系