
日本の植民地下より解放された台湾の戦後史で「二二八事件」に始まる台湾の動乱時期の悲劇。終戦解放のその日にひとつの命を授かった林家の人々を中心に長年タブー視されてきた歴史的事象を静かに描きホウ・シャオシェンの名を世界的に著名にしたエポックメイキング的作品。
…と見出しは付けてみたけれど昔観て先日観て、途中意識が遠のいているせいか実はいまだに把握し切れてない人物設定もあったりするので(限りなくトホホ)、機会があったらDVDでみないとだめだーと再認識した先日のBOW鑑賞でした。と、恥を忍びつつ再見の感想というか思い出話。
お恥ずかしいことに今でもニュースで大見出しつきで流れるニュース程度のことしか大して知らない台湾の事情・歴史。台湾に限った話ではなく、欧米の古今の歴史なら学校やら書籍やら映画やらで比較的近い現代史まで好んで目にすることはあっても、アジア周辺の諸国に絡んでくる日本の影響やら歴史的な事実、それらの国で戦後どういったことが行われて現在に至っているのかほとんど知りません。それは本作初見の当時も今も大差ないような気がするのが全くもって進歩がなくて恥ずかしい限りなんだけど、本作が製作される直前まで台湾が戒厳令下に置かれていたことすらももちろん知りませんでした。
最初に観た時はこの劇中で描かれるような国民党軍部による白色テロももちろん衝撃的ではあるのだけれど、事件のきっかけになった暴動というか台湾ネイティブ→外省人への攻撃の中、攻撃対象の中心に日本人または日系人が含まれていないことにちょっと驚いた記憶があります。で事件の後の逮捕者の監房で日本語の歌が歌われる辺りとか。近現代のアジアの中で描かれる日本って極悪非道がつきまとうものだとばかり思いこんでいたから、向こうの人たちの日本への思慕の感情のようなものが描かれたのは意外だった気がしました。食堂の風景やら一族そろっての写真撮影など中華風なものを感じもするけれど、なんとなく日本の風景やら雰囲気を思わせるものがあって、もちろん登場する女の子の名前が「寛美」ちゃんというのもあるのだけれど、それが新鮮に映ったし近さを感じるのだけれど、同時にかえってちょっと複雑な心境にもなったものでした。未だにうまく言えませんけども。
たぶんトニーのことはそれまで名前がごちゃ混ぜになっていたレオン・カーファイとようやっと区別が付くようになったのはこの映画からのような気がします(笑)。ふーん台湾の人だったんだ、とその時は思っていて、でもその後の聾唖の設定になったエピソードを聞いた時にはなんてホウちゃんってば強引なと思ったけれどかえって演技は深くなったかもしれないですね。物語はシビアで重いし辛いものはあるのだけれど、作品の持ってる静けさだったり繊細さをもった佇まいが好きでした。「寛美」ちゃんことシン・シューフェンちゃんはやっぱりかわいいですよね。彼女はまだ役者さんをしているのかな。

