『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』

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 ソウル中心部を流れる漢江に突如現れた“怪物”が川を訪れていた行楽客を次から次へと襲い人々を恐怖に陥れる。パニック状態の中逃げ出そうとしたところ、川べりで売店を営むパク一家の長男の娘ヒョンソは怪物にさらわれ、また逃げる最中に怪物の血を浴びた父親のカンドゥらその場に居合わせた人々は謎のウイルス感染の危険から当局によって身柄を拘束される。しかしすっかり怪物の犠牲になったと思っていたヒョンソから助けを求める連絡が。一家は病院を抜け出し、ヒョンソの救出に向かう…

 短編オムニバス『20のアイデンティティ』ではやっぱり舞台は漢江でいいと思うんだけれど川っぱたの売店にやってくるおかしな父とまともな娘vs.売店のおっちゃんのやりとりがほのぼの&ユーモアたっぷりに描かれていましたけれども、『殺人の追憶』に続くポン監督の長編新作が怪獣パニック映画とはビックリでした。
 シネフィルとしても有名な監督のことですから、もしかして『ゴジラ』っぽかったりするのかしらん?とも期待していたんですが、在韓アメリカ軍の研究施設が垂れ流した薬液により何かの生き物が異形の怪物に変貌したのか、それとも突然変異で生まれたのかは分からないけど人間の愚かで身勝手な所行によってできたモンスターというのは十分ゴジラ路線を踏襲してると思います。見た目はゴジラというよりもUSゴジラをもっと不気味にニュルニュルさせたような感じだけど。

 お話は怪獣に娘をさらわれたことでぐうたら過ごしていた父親の根っこの部分の成長と、アニキを単なるアホとバカにしていた大学は出たけれど酒ばっか飲んでる弟とアーチェリー(ではないのか?)の実力はあるのに勝負に弱い妹の3兄妹が絆を取り戻すお話でもあります。ガンホさんのニート?っぷりや、弓を引くペ・ドゥナちゃんはりりしく、前作より男っぽさが増してちょっとだけワイルドなヘイルくんは山本耕史ぽい(…)など、3兄妹のお父さんも含めて役者の皆さんがポン組というか過去の2作その他代表作でおなじみの芝居上手なところを見せてくれて、笑える場面も含めて楽しくもあったのではありますが、なんか不思議な映画でした。パニック映画とはいえグエムルがソウルの街中を大暴れするわけではないし、小ネタに風刺は効いてるとは思うけれどSF陰謀ドラマというにはまたちょっと違う気もするし、(しばらく白抜きします→)アメリカ人のイボイボは結局なんだったの?とか黄色い煙は有害じゃなかったのなどなど不思議に思う点も残りなんか微妙な1作ではありました…ね。前作に続いて雨が降り、そしてよく走ってました。家族の死闘といえば死闘だし、戦う相手は怪物のみならず人でもあったわけですが。

原題:Gwoemul(The Host) 監督:ポン・ジュノ 2006年製作
出演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン、パク・ヘイル、ペ・ドゥナ
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