『マリー・アントワネット』

Marie Antoinette
 前作『ロスト・イン・トランスレーション』の公開時に沢木耕太郎さんの映画評がらみで「アメリカ人の傲慢さが出てるんじゃないのか」という記事をいくつか読んだ記憶がありました。個人的にはあの作品に関しては舞台自体日本じゃなくても成立する話だろうしと思うし、孤独や寂しさの描写など結構好きだったのだけれど、気になったとことといえばメジャーな出の人のメジャー路線軽視というか蔑視みたいなところ。そういう意味で言えばハリウッドのタイクーン的お家柄出身のソフィアが今回フランス王妃の話を撮るというのは、嫌味に近いくらいはまり過ぎかもしれない。超セレブでなけりゃヴェルサイユ宮殿全面ロケ協力なんてしないだろうしなー。わたし、ひがんでます?
 オーストリアからフランスに両国友好の重責を負ってたった独りで嫁いで来た少女マリー。人々の好奇の目にさらされ、堅苦しいがんじがらめの習慣に縛られ、お世継ぎ出産のプレッシャーを受けるにつれどんどん孤独に陥って、そのはけ口を浪費やら夜遊びに求めるようになり〜という話は「ベルばら」でおなじみなので省略しますが、こうしてみると異国の中でひとりぽっち、というのは『ロスト〜』に共通する部分。もっとも作品の構想自体はこちらのほうが先だったらしいので、テーマを同じくして別な描き方をしたかったのかもしれないんですが、いくつかそういう描写のうまさは感じる場面はあったけれど正直言って『ロスト〜』のほうが好き。時代的にも感覚的にも向こうの方が自分にとって現実味あるからというのもあるんでしょうが。史劇というよりも私劇ではある本作ですが。というかアントワネットを扱った作品に関してはベルバラほかいろいろ別な作品や本で読んでしまっているので、今回その孤独の描写さえも取り立てて目新しい印象は残念ながら自分はもてなかったんですけれども、そのへんをあまりご存じない若いお客さんはもうちょっと感情移入して観られるのかも。どっちかといえば最初の出産後、失神したマリーのために窓を開けに走ったルイ君にいいヤツじゃんとじんわり。

 今回はコスプレなのでアバンギャルドな雰囲気強いかと思いますが、音楽も前作と同じようにお懐かしい系のインディーズナンバーがふんだんに使われています。でも今回は音楽づかいが雄弁すぎちゃって、お話が頭に入ってるからというのもあるんですが、正直いっそのことセリフいれなきゃいいのに、なんてことも思ったり。
 とりあえずコスチューム、小物グッズ、それから観光で出かけるとロープで仕切ってある宮殿部分と大小グッズ関係の見所はたーくさんあります。ただ同じ王妃さまの小物でも『ロバと王女』に出てきた小物は全部お持ち帰りしたい!と思いましたが、今回は見るだけで十分おなかいっぱいかな。マチュー・アマルリックはほとんどカメオでしたねえ

関連レビュー
『ロスト・イン・トランスレーション』

Marie Antoinette ←サントラアメリカ盤 2枚組なんですねー。Adam & the Antsもはいってまーす

テーマ : マリー・アントワネット - ジャンル : 映画

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